あの音をもう1度




「えっ・・・」


涼太の顔が固まった。




そんな涼太にバレないように深呼吸をした。



普段通りに…






「さ、さっき音楽の先生に言われたの。放課後、使えなくなるって…」




――これは本当。


ここに来る前に言われた。



なんでも吹奏楽部の部室である音楽室が一部改装のため、ここを使うらしい。






「だから…家で練習しようと思うんだけど、涼太の家から私の家まで遠いでしょ?だから・・・」




もっともらしい言い訳。



本当は一緒に練習したい。


一緒に頑張りたい。




でも、それは私だけが望んでいることだから・・・