「だから、大変だったって言っただろ。インターネットどころか大会のとこにも記録が残ってなくてさ」




――この人は…何者?



「なんで…そんな思いをしてまでその記事を探したの?!」



「ずっと……お前を探してたから」


私の胸がドキッと鳴った。



「なんで私を…?」




「ピアノを止めたって聞いたから」


スッと鈴宮はピアノに触れる。



「何が…何が目的なの?」



声が震える――













「お前に…もう一度ピアノを弾いてほしい」