本当はもっと「ありがとう」を言いたいけど素直になれなくて…

これが精一杯だった。





あのコンクールで私は優勝することが出来た。


家に帰ったらお祭り騒ぎで…
楽兄には散々、写真を撮られたι





「・・・ねぇ、奏。優勝したのにあんまり嬉しそうじゃないけどどうかした?」




ギクッι



栞の言葉に少し動きが止まった。



「うん・・・・。実は、演奏終了後にね…」







そう。


あれは演奏が終わって涼太と
2人でいたとき。



いきなり1人の男性が現れた。




しかも、



「俺の大切な人!」



なんて言い出すんだもん。



私も涼太も、びっくりして
何も言えず少しの間固まってしまった。





「お、お前は・・・・」


やっと涼太が口を開いた瞬間、