「ちょ、ちょっとこっち!」


私は無理やり涼太を引っ張って廊下に出た。





「なに奏、焦ってんだよ?」


涼太は涼しい顔で私を見下ろす。




「い、いや。あの…」



だってあれ以上、周りから注目されるのが嫌だった…って何故か言えないι


それに・・・
あの親子から離れたかったし。












「---なぁ、奏。

あの中に奏にトラウマを植え付けた奴いるよね?」




「えっ?!」


そう言った涼太は冷ややかな目で控室のドアを見ていた。




どっ…


「どうして、そんなこと知っているの?!」



あの親子が仕掛けたことは私と家族、そして当時の関係者しか知らないはずなのに…