あの音をもう1度




「いや。俺、一人暮らし」










「…えっ?!」



一人暮らし!?





「高校の間だけど。家からは遠いから」




あっ…そっか。


涼太は元々、隣町の高校に通ってたんだっけ?





それを私にもう1度ピアノを弾かせるために今の高校に…





少し申し訳なく感じる。





「・・・・後悔とかしてないから」



えっ?




「今の学校も楽しいし。
それに…奏とこうやって過ごせることは俺にとって最高の時間だから」




涼太・・・・



胸の中が暖かくなる。





「うん!私も!」



もう1度ピアノを弾く楽しさを教えてくれた。


涼太に本当に出会えてよかったって思える。