あの音をもう1度

「いいじゃん。詩乃さんも、
いつでも来ていいって言ってたし」




……そういうところは覚えているんだから。




でも・・・私も気になる。


涼太の記憶力はかなりのもの。


それは授業中に嫌と言うほど見た。


お母さんも涼太と親しそうに話してたし…






そうして、家についた。




「あれ?家、閉まってる」



珍しい。買い物でも行ったのかな?


仕方なく鍵を開けて、家に入った。





「にしても、いつも綺麗だよな。奏の家」


涼太はキョロキョロと周りを見渡す。





「涼太の家だって、綺麗だし
もっと大きいんじゃないの?」



なんてたって日本有数の鈴宮音楽グループの息子なわけだし。


私の家の比じゃないのかも。