あの音をもう1度

いくら離れても大切だって実感した。





「そういや、奏の家のピアノって小さい頃からあるんだよな?」



「うん。そうだよ」



小さいころからずっとあるピアノ。


たぶん物心がついたときにはあったと思うけど…




「それがどうしたの?」




涼太は「ん~…」と頭をかいた。


「いや…。奏を運んだ時にピアノを少し見たんだけど、どこかで見たことある気がして…」




見たことが?




「どこで?」



「さぁ…そこまでわかんねぇし気のせいかもしれないけど」




でも、家のピアノを外に運んだ記憶はないけど…













「・・・なぁ、奏。今日、楽さん家にいる?」




えっ?