「はぁ…た、助かった」
とりあえず、自分の腰紐を2本使って、2人を縛ってそのまま茂みに隠すと、払いのけた男の人のところへ駆け寄った。
「大丈夫かな…」
そう呟いたものの、明らかに顔色が青白くなっていて、服についている血のシミも大丈夫そうには見えなかった。
「仕方ないよね」
幸姫はふぅ、と息を吐くと、風呂敷を口にくわえて、男の人をおぶって歩き出した。
自分より大きな、しかも規格外にでかい男をおぶって歩く道のりは、信じられないくらいに疲れた。途中で人が通りかかったら、助けを求めようと思っていたのにもかかわらず、そういうときに限って誰も通りかかることがない。
「もうひょっと…」
はぁはぁと肩で息をしながら、見覚えのある家が見えてきた頃だった。
「わぁ!」
突然、後ろからドン!と突き飛ばされ、幸姫はバランスを崩してそのまま倒れこんだ。
「いった…」
砂利ですった腕をさすりながら、幸姫が振り返ると、鬼のような形相でにらみつけてくる男の人の姿があった。
「貴様、何奴」
男の人の言葉に、幸姫はカチンとなる。
「ちょっと。助けられたくせに、それはないんじゃない」
幸姫の言葉に、男は少し怪訝そうな表情を浮かべる。
が。
「あぶな!」
ぐらりとその場に倒れこみそうになる男の人を、慌てて幸姫は抱きとめる。
「ぐっ…」
何かを言おうとしたが、男の人は苦痛でうめき声だけをあげると、そのまま意識を失った。
「…早く手当てしないと」
幸姫は急いで男の人を担いで屋敷へと戻った。
とりあえず、自分の腰紐を2本使って、2人を縛ってそのまま茂みに隠すと、払いのけた男の人のところへ駆け寄った。
「大丈夫かな…」
そう呟いたものの、明らかに顔色が青白くなっていて、服についている血のシミも大丈夫そうには見えなかった。
「仕方ないよね」
幸姫はふぅ、と息を吐くと、風呂敷を口にくわえて、男の人をおぶって歩き出した。
自分より大きな、しかも規格外にでかい男をおぶって歩く道のりは、信じられないくらいに疲れた。途中で人が通りかかったら、助けを求めようと思っていたのにもかかわらず、そういうときに限って誰も通りかかることがない。
「もうひょっと…」
はぁはぁと肩で息をしながら、見覚えのある家が見えてきた頃だった。
「わぁ!」
突然、後ろからドン!と突き飛ばされ、幸姫はバランスを崩してそのまま倒れこんだ。
「いった…」
砂利ですった腕をさすりながら、幸姫が振り返ると、鬼のような形相でにらみつけてくる男の人の姿があった。
「貴様、何奴」
男の人の言葉に、幸姫はカチンとなる。
「ちょっと。助けられたくせに、それはないんじゃない」
幸姫の言葉に、男は少し怪訝そうな表情を浮かべる。
が。
「あぶな!」
ぐらりとその場に倒れこみそうになる男の人を、慌てて幸姫は抱きとめる。
「ぐっ…」
何かを言おうとしたが、男の人は苦痛でうめき声だけをあげると、そのまま意識を失った。
「…早く手当てしないと」
幸姫は急いで男の人を担いで屋敷へと戻った。


