金、銀、鼈甲に、綺麗な石をちりばめたりして綺麗に飾っているものから、木製のシンプルなものまで。たくさんの簪に、幸姫はうっとりとした表情でそれらを見つめていた。
「…ほら、こいつだ」
いつの間にか戻ってきた男の子に手渡された風呂敷を、幸姫は慌てて受け取った。
「簪、珍しいのか?」
聞かれて幸姫は恥ずかしそうにしながら頷いた。
「本物って見たことなかったから」
「そうか」
男の子がぶっきらぼうに呟く。
幸姫が苦笑しながら、それじゃぁ、と頭を下げて家を出ようとすると、男の子は少しだけ顔を赤らめながら幸姫に言った。
「…喜多様に、よろしく言っておいてくれ」
「はい」
にっこりと笑って、幸姫は頷くと、男の子の家を後にした。
「…ほら、こいつだ」
いつの間にか戻ってきた男の子に手渡された風呂敷を、幸姫は慌てて受け取った。
「簪、珍しいのか?」
聞かれて幸姫は恥ずかしそうにしながら頷いた。
「本物って見たことなかったから」
「そうか」
男の子がぶっきらぼうに呟く。
幸姫が苦笑しながら、それじゃぁ、と頭を下げて家を出ようとすると、男の子は少しだけ顔を赤らめながら幸姫に言った。
「…喜多様に、よろしく言っておいてくれ」
「はい」
にっこりと笑って、幸姫は頷くと、男の子の家を後にした。


