陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜

「行かないで!」

力一杯叫んでみても、その声はまるで暗闇に吸収され、届くことがないかのようで、人影は、振り返ることはない。

「どうして…」

気づけば人影もなくなって、辺りには何もなく、誰もいない。

「パパ…会いたいよ…」

まるで小さな子供のように、その場にしゃがみこんで泣いていた。



と、ふわりと誰かが自分を抱き上げた。

「えっ…?」

抱き上げられた自分の体は、まるで幼稚園児のように小さくなっていることに気づく。

「な…なんでぇ?」

意味がわからずあたふたする。が、自分を抱っこしているその手がとても暖かくて。
幸姫はそっと、もたれ掛かった。

きゅっと相手の腕にしがみつく。と、その人は優しく、幸姫の頭を撫でてくれた。


まさか…パパなの?


今までに感じたことのない温もりに、幸姫の胸は少し高鳴る。



「パパ…?」


恐る恐る、幸姫はその人の顔を見上げた。