陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜

下がれ、と言われて、政宗様の部屋を後にしたが、どうしても気になり、結局また、政宗様の部屋へと出向いていた。

はずだったのだが。

「なんなんだ、これは」

廊下を歩いていると、人影が見えた気がして、近づいてみると、そこには縁側で、寝ている幸姫の姿があった。

「おい、貴様…起きろ」

「うー…」

ほっぺたをぺちぺちと叩いてみるが、寝返りをうつだけで起きる気配がない。

「おい…」

言いかけたそのときだった。

「パパ…」

訳のわからないことを呟いたかと思うと、つぅっと目からこぼれ落ちるものがあった。

「なっ…!?」

思わぬ出来事に、小十郎は驚いてあたふたする。

「いか…で…」

困惑する小十郎。
しかし、幸姫がまるでうなされているように見えて、何度か頬を軽く叩いて起こそうとしてみる。

が、やはり起きる様子はなく、時折唸ったり、何かを呟くばかりだった。

そんな様子を見て、小十郎は小さくため息をつくと、幸姫をそっと抱き上げ、その場を後にした。