下がれ、と言われて、政宗様の部屋を後にしたが、どうしても気になり、結局また、政宗様の部屋へと出向いていた。
はずだったのだが。
「なんなんだ、これは」
廊下を歩いていると、人影が見えた気がして、近づいてみると、そこには縁側で、寝ている幸姫の姿があった。
「おい、貴様…起きろ」
「うー…」
ほっぺたをぺちぺちと叩いてみるが、寝返りをうつだけで起きる気配がない。
「おい…」
言いかけたそのときだった。
「パパ…」
訳のわからないことを呟いたかと思うと、つぅっと目からこぼれ落ちるものがあった。
「なっ…!?」
思わぬ出来事に、小十郎は驚いてあたふたする。
「いか…で…」
困惑する小十郎。
しかし、幸姫がまるでうなされているように見えて、何度か頬を軽く叩いて起こそうとしてみる。
が、やはり起きる様子はなく、時折唸ったり、何かを呟くばかりだった。
そんな様子を見て、小十郎は小さくため息をつくと、幸姫をそっと抱き上げ、その場を後にした。
はずだったのだが。
「なんなんだ、これは」
廊下を歩いていると、人影が見えた気がして、近づいてみると、そこには縁側で、寝ている幸姫の姿があった。
「おい、貴様…起きろ」
「うー…」
ほっぺたをぺちぺちと叩いてみるが、寝返りをうつだけで起きる気配がない。
「おい…」
言いかけたそのときだった。
「パパ…」
訳のわからないことを呟いたかと思うと、つぅっと目からこぼれ落ちるものがあった。
「なっ…!?」
思わぬ出来事に、小十郎は驚いてあたふたする。
「いか…で…」
困惑する小十郎。
しかし、幸姫がまるでうなされているように見えて、何度か頬を軽く叩いて起こそうとしてみる。
が、やはり起きる様子はなく、時折唸ったり、何かを呟くばかりだった。
そんな様子を見て、小十郎は小さくため息をつくと、幸姫をそっと抱き上げ、その場を後にした。


