「な…何これ」

うえーっと舌を出してけほけほと咳き込んだ。
飲み込んだ瞬間、喉がかぁっと熱くなり、息をするだけでむせ返るような酒気が漂った。

「どうだ?美味いだろう」

政宗がおいしそうにくいっとまた一杯お猪口に入れたお酒を飲む。

「ドコが!?まずいよー」

はぁはぁと息をしていると、傍に置いてあった湯飲みに入っていた水を手に取り、幸姫は一気に流し込んだ。

「あっ!それは…」

次の瞬間、頭がくらりと揺れた気がした。

「な…に…くらくらする……」

体中がぽかぽかと熱くなっていく気がした。からだもまるで宙を舞うようにふわふわとした感覚に陥る。

「ふえぇ…」

くらりと揺れ始める幸姫の身体を政宗が支える。

「大丈夫か?」

政宗の声が二重にも三重にも重なって聞こえてきた。

「な、なにぃ?」

顔を真っ赤にして、幸姫は政宗にもたれかかった。