鍬についた泥を落としながら、小屋へと向かう。

と、小屋の前まで来たとき、小屋の閂が外れているのに気付き、思わず眉を潜めた。


…かけわすれたか?
いや、そんなはずはない。確かにかけて畑に行ったはずだ。


鍬を両手でギュッと握りしめる。


賊か?


少し緊張した面持ちで取っ手に手をかける。

ふぅ、と深呼吸をひとつ。


よし。


思いきって戸を開けた。