「政宗様。一体、どういうおつもりなのですか?」
襖をあけたその部屋には、喜多と数名の女中が夕食の準備をしている所だった。ほとんど準備は出来ていたので、喜多はすぐに女中達を下がらせると、政宗を目の前に正座させ、幸姫を自分の後ろに庇うようにして座らせた。
「あなた様はもう、一国一城の主なのですよ?その様なお方が…家臣の屋敷に滞在している客人をあのように担ぎ上げて歩き回るとは……許されるとお思いですか、政宗様」
喜多がニッコリと笑いながら政宗を叱っている。
な、なんか…
オーラが怖い…
幸姫は庇ってもらっているのに、何故か喜多の後ろでびくびくしていた。
「わ、悪かったよ!」
政宗も少し焦りながら喜多に許しを請う。
と、そのときだった。
バタバタバタっと廊下を走る音がしたかと思うと、勢いよくばしん!と襖が開いた。
「小十郎!」
小十郎は息を切らせながら、ほっと、安堵したような表情で、名前を呼ぶ政宗を見た。
「政宗様!一体、どこにいったのかと思えば、こんな所に…」
息を整えていると、すがるような眼差しで見つめてくる政宗に、ゆっくりと振り向きニッコリと笑いつつ、怒りのオーラを全開にしている喜多の姿があった。
「あ…」
小十郎は一瞬で、今は喜多の説教タイムである事を悟ると、咳払いを一つして、口を開いた。
「あ、姉上」
「なんですか?」
喜多の声が冷たい。
それを感じ取った小十郎は小さな溜息をつくと、あの、と続けた。
襖をあけたその部屋には、喜多と数名の女中が夕食の準備をしている所だった。ほとんど準備は出来ていたので、喜多はすぐに女中達を下がらせると、政宗を目の前に正座させ、幸姫を自分の後ろに庇うようにして座らせた。
「あなた様はもう、一国一城の主なのですよ?その様なお方が…家臣の屋敷に滞在している客人をあのように担ぎ上げて歩き回るとは……許されるとお思いですか、政宗様」
喜多がニッコリと笑いながら政宗を叱っている。
な、なんか…
オーラが怖い…
幸姫は庇ってもらっているのに、何故か喜多の後ろでびくびくしていた。
「わ、悪かったよ!」
政宗も少し焦りながら喜多に許しを請う。
と、そのときだった。
バタバタバタっと廊下を走る音がしたかと思うと、勢いよくばしん!と襖が開いた。
「小十郎!」
小十郎は息を切らせながら、ほっと、安堵したような表情で、名前を呼ぶ政宗を見た。
「政宗様!一体、どこにいったのかと思えば、こんな所に…」
息を整えていると、すがるような眼差しで見つめてくる政宗に、ゆっくりと振り向きニッコリと笑いつつ、怒りのオーラを全開にしている喜多の姿があった。
「あ…」
小十郎は一瞬で、今は喜多の説教タイムである事を悟ると、咳払いを一つして、口を開いた。
「あ、姉上」
「なんですか?」
喜多の声が冷たい。
それを感じ取った小十郎は小さな溜息をつくと、あの、と続けた。


