陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜

「あら、お帰りって、どうしたの!?その格好!」

丁度帰って来たところなのか、屋敷の入り口で、喜多と遭遇した。

「いや…その……」

よくよく見てみれば、すそを持ち上げたままの格好で山からずっと帰ってきていた。しかも、泥だらけの上に傷だらけ。

喜多が心配そうな顔で駆け寄ってきた。

「一体何があったの!」

ジッと見つめてくる喜多に、幸姫は苦笑いを浮かべながら答えた。

「えっと…実は、ですねぇ」

姉滝に行った帰りに山賊に襲われた事、何とか逃げ延びる事が出来たことを、正直に話す。

「なんてこと!とにかく、まずは傷の手当てをしなくては」

「え!?いや、大丈夫ですよ!?」

幸姫が言うと、キッと喜多が鋭い目で睨んできた。

「何を言っているのですか!女子がそのような傷をたくさんこしらえて!痕が残ったらどうするのです!」

そう言われて、幸姫はあはは、と乾いた笑いを浮かべていた。