『右…』
「え…?」
一瞬、何処かから声が聞こえた気がした。立ち止まり、キョロキョロと辺りを見回してみる。
が、辺りに人の気配はない。
「なに…?」
妙に懐かしい気がしたが、幸姫は道が全く分からないんだし、と、その声にしたがって右へと向かって走り出した。
山を降りるまでに、数回、同じような声が聞こえてきた。
声の通りに山を下りていくと、無事に見た事のある道まで出てくる事が出来た。
「やった…!出てこれた!」
茂みに隠れたり、山道を駆け抜けたりで、借り物だというのに着物はすでにボロボロになっていた。
「やっば…どうしよう」
足や腕にも、ところどころ切り傷が出来ていて、風があたると、少しひりひりとした。
「しっかし、疲れたよぉ…」
はぁ、と溜息をつきながら、腕の傷を擦りながら歩いた。
「この傷…って!」
触ると微かに痛みが走った。
出来たばかりの傷には、少しぬるりとした血の感触までしっかりとある。
「これ、どういうことよ」
夢の世界だと思いたかったけど、この感触はどうしても本物のようにしか感じられなかった。
「もしかして…これ、ホントにやばいんじゃ」
万に一つの可能性として、自分がタイムスリップしてしまったのだとしたら。
きっと、本当に危ない目にあえば死んでしまう。
そう思うと、ぞっとした。
「え…?」
一瞬、何処かから声が聞こえた気がした。立ち止まり、キョロキョロと辺りを見回してみる。
が、辺りに人の気配はない。
「なに…?」
妙に懐かしい気がしたが、幸姫は道が全く分からないんだし、と、その声にしたがって右へと向かって走り出した。
山を降りるまでに、数回、同じような声が聞こえてきた。
声の通りに山を下りていくと、無事に見た事のある道まで出てくる事が出来た。
「やった…!出てこれた!」
茂みに隠れたり、山道を駆け抜けたりで、借り物だというのに着物はすでにボロボロになっていた。
「やっば…どうしよう」
足や腕にも、ところどころ切り傷が出来ていて、風があたると、少しひりひりとした。
「しっかし、疲れたよぉ…」
はぁ、と溜息をつきながら、腕の傷を擦りながら歩いた。
「この傷…って!」
触ると微かに痛みが走った。
出来たばかりの傷には、少しぬるりとした血の感触までしっかりとある。
「これ、どういうことよ」
夢の世界だと思いたかったけど、この感触はどうしても本物のようにしか感じられなかった。
「もしかして…これ、ホントにやばいんじゃ」
万に一つの可能性として、自分がタイムスリップしてしまったのだとしたら。
きっと、本当に危ない目にあえば死んでしまう。
そう思うと、ぞっとした。


