陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜

「いたか!?」

「いや。こっちにはいない」

「ちっ…一体どこに逃げたってんだ、あのアマ!」

「女の足だ。そう遠くへは逃げていないはずだ!もっとよく捜せ!」

「へい!」

何とか山賊たちを撒くことは出来たが、とにかく必死で走り回った結果、幸姫は迷子になり、さらに山賊たちに遭遇しそうになったため、近くの茂みで息を殺して、いなくなるのを待っていた。


ってかさー、見つけられないんだから、諦めてとっととどっかにいっちゃってよ!


特大の溜息が出そうになるのを、ぐっとこらえる。
これから一体、どうしたらいいのかと、途方にくれていたときだった。


ガサガサ。ガサガサガサ。


幸姫のいた茂みとは反対方向で音がした。

「おい、音がしたぞ!そっちだ!」

山賊たちは慌てて音のしたほうへと駆け出す。

「ラッキー…」

ボソッと幸姫は呟くと、とりあえず、山賊たちに見つからないようにと反対方向へと走り出した。