陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜

昨夜の出来事が頭の中をよぎった。


怒られる…!


まるで苦手な先生に呼び出しをくらったような心境になり、動きが止まった。

「…政宗様に会ったそうだな」

小十郎が幸姫に気がつき、少しドスのきいた声で話しかけてくる。

「ごっ…ごめんなさい」

ガバッと頭をさげ、ビクビクしながら謝った。

「もうよい、会ってしまったものは仕方がない」

「へ?」

特大のため息とともに、小十郎の口から漏れた言葉は、ほぼ諦めに近い感じのものだった。

「これ、小十郎。まずはきちんと挨拶をなさい。おはようございます、幸姫殿」

喜多がそう言って、ニッコリと笑いかけてくる。幸姫も、少しだけ戸惑いながらも、笑って挨拶を返した。

「それにしても小十郎。どうしてそこまで、政宗様に会わせるのが嫌なのです?」

聞かれて、小十郎はうっと言葉につまった。それを聞いた幸姫も、確かに、と首を傾げていると、後ろからずしん、と何かがのしかかってきた。

「うわわっ!」

バランスを崩しかける幸姫を、後ろからのしかかってきた人物が抱き止めて支える。

「…おはようございます、政宗様」

小十郎が頭をさげる。

「おはようございます、政宗様」

喜多もそれに続いて、頭をさげた。