陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜

連れて行かれたのは中庭と思しき場所だった。
色とりどりの木々に囲まれて出来たその場所には、茶席と思われるものが設けられていた。

そして、そこには、信長の他に、見知った顔があった。

「政宗!?」

思わず叫ぶ。
と、政宗の隣に座っているおじさんが、怪訝そうな表情を浮かべて政宗を見た。

「伊達様、お知り合いで…?」

よく考えれば、政宗はそこそこ位の高い人間だ。
その人間を、いきなり人前で呼び捨てにしたのはまずかった。

「あれは伊達殿の嫁だそうだ」

信長が答える。
信長の言葉に、政宗以外の人たちが驚いてざわつく。

「あれは作法やしきたりといったものにとんと疎いもので…大目に見ていただけるとありがたい」

政宗が頭を下げる。

「申し訳ございません…失礼いたしました…」

幸姫も一緒に頭を下げた。