すっと立ち上がったかと思うと、お膳を挟み、幸姫と向かい合うようにして座った。
「うぬの生きていた時代は、今、この世界からは比べられぬほどの進歩を遂げておる。だが、俺は、この世に生きる限り、その世界を目にし、生きることは叶わぬ」
真っ直ぐにこっちを見つめる信長。
幸姫はじっと、信長の言葉を待った。
「知らなければ、求めることもなかっただろう…」
そう言うとスッと手を伸ばし、まるで首を絞めるように、喉を掴むように手をかけてきた。
が、幸姫は動かない。
不思議と、気持ちは落ち着きを取り戻していた。
その様子に、信長は満足そうに笑った。
「うぬの生きていた時代は、今、この世界からは比べられぬほどの進歩を遂げておる。だが、俺は、この世に生きる限り、その世界を目にし、生きることは叶わぬ」
真っ直ぐにこっちを見つめる信長。
幸姫はじっと、信長の言葉を待った。
「知らなければ、求めることもなかっただろう…」
そう言うとスッと手を伸ばし、まるで首を絞めるように、喉を掴むように手をかけてきた。
が、幸姫は動かない。
不思議と、気持ちは落ち着きを取り戻していた。
その様子に、信長は満足そうに笑った。


