陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜

すっと立ち上がったかと思うと、お膳を挟み、幸姫と向かい合うようにして座った。

「うぬの生きていた時代は、今、この世界からは比べられぬほどの進歩を遂げておる。だが、俺は、この世に生きる限り、その世界を目にし、生きることは叶わぬ」

真っ直ぐにこっちを見つめる信長。
幸姫はじっと、信長の言葉を待った。

「知らなければ、求めることもなかっただろう…」

そう言うとスッと手を伸ばし、まるで首を絞めるように、喉を掴むように手をかけてきた。

が、幸姫は動かない。
不思議と、気持ちは落ち着きを取り戻していた。

その様子に、信長は満足そうに笑った。