陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜

思わず口をついて出た。

「ほぅ…知っているのか」

信長の言葉に、ハッとなった。

「…別に」

視線が泳ぐ。
湯呑みを持った手に、思わず力が入った。


…意味まで、ちゃんと覚えている訳じゃない。


信長が好きだったと思われる「敦盛」の中に出てくる台詞。


自分が知ってたって、おかしく、ない。


速くなる鼓動を聞きながら、幸姫は自分にそう、言い聞かせた。