陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜

どうして、とか、何で、って。
何で聞かないんだろ。


隠れながら明智光秀を探す二人。


なんで、明智光秀なのか、とか、会ってどうするんだ、とか。
…私なら絶対に気になる。

廊下の角で隠れていた。
ジッと小太郎を見ながらそんなことを思う。

「どうかしたか?」

視線に気づいた小太郎。
慌てて幸姫は首を横にふる。

「あ、ううん、何でも。明智光秀…見つからないね」

幸姫の言葉に、小太郎はふと、奥に見える部屋の中に入っていく人物に視線をやった。
幸姫も視線の先をたどり、きゅっと唇を結んだ。

「…一人かな」

中に入っていく姿は、光秀のものだけだったが、中に他に人がいないとは限らない。
そっと、小太郎に声をかけたのだが、さっきまで隣にいたはずの小太郎の姿がなくなっていた。

「あれ?こた??」

キョロキョロと辺りを見回していると、不意にどこかから声が聞こえた。

「光秀は今なら一人だ」

小太郎の声に、幸姫は小さく頷くと、光秀の入っていった部屋の方へ、急いで向かった。