「あの…」
とりあえず置かれてあった着物に着替えて、部屋の襖を開けた。
と、ちょうどそこに、先ほどの男性と、昨日みた女性の姿があった。
まるで美男美女のベストカップルに見える二人に、思わず幸姫は見とれた。
「あぁ、終わりましたか」
微笑みながら聞いてくる男性に、幸姫は頷いた。
「それでは、お濃様も一緒に、信長様の所へ」
男性が言いかけたところを濃が遮る。
「咲庵」
短く、名前を呼んだだけなのに、まるで全てを悟ったかのように、首を横にふる。
「いけません。もうずいぶんと前から、お待ちされているんですから」
そう答える咲庵を、濃姫はじっと見つめる。
「…少しだけ、ですからね」
そう答えると、小さくため息をついて、その場を立ち去っていった。
とりあえず置かれてあった着物に着替えて、部屋の襖を開けた。
と、ちょうどそこに、先ほどの男性と、昨日みた女性の姿があった。
まるで美男美女のベストカップルに見える二人に、思わず幸姫は見とれた。
「あぁ、終わりましたか」
微笑みながら聞いてくる男性に、幸姫は頷いた。
「それでは、お濃様も一緒に、信長様の所へ」
男性が言いかけたところを濃が遮る。
「咲庵」
短く、名前を呼んだだけなのに、まるで全てを悟ったかのように、首を横にふる。
「いけません。もうずいぶんと前から、お待ちされているんですから」
そう答える咲庵を、濃姫はじっと見つめる。
「…少しだけ、ですからね」
そう答えると、小さくため息をついて、その場を立ち去っていった。


