「おや…」

そこには桂だけを身にまとった美しい女性の姿があった。
その艶やかさに、思わず幸姫は見惚れた。

「灯りを」

女性が言うと、ふと、部屋の四隅が順番に明るくなっていった。

「目は覚めたかしら?」

「は…ぁ……」

聞かれたが、何も答えられなかった。


なんで私、ここにいるの?
ってか、ここどこ??


河原で顔を洗っていたのは覚えているが、そこから先の記憶がない。

唸る幸姫の姿を見て、女性は楽しそうな顔をしていた。