「やめてっ!」

叫ぶと同時に、体をぐいっと起こした。
と、今のは夢でこれが現実だと、脇腹の痛みが教えてくれた。

「…っくー…」

疲れて少し休むつもりだったのが、いつの間にか眠ってしまっていたようだった。

痛みで出たのか解らない涙を拭うと、幸姫はゆっくりと立ち上がり、荷物を持ってまた、道を歩き始めた。