陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜

幸姫は、着ていたTシャツを脱ぐと、裾の部分をビリっと破り、自分の傷口をふさぐようにして巻いた。
もちろん、そんなことで血が止まるわけもなく、もとからそんな色をしていたとでもいうくらい、白い生地が、どんどん赤く染まっていった。


二人同時に相手は無理!


こちらへ走ってくる人影目指して、幸姫は脱いだ籠手を手に取り走りだした。

「幸姫!?」

政宗が叫ぶ。

「政宗!早くそいつなんとかしなさいよねっ!」

大声を出すと、傷に響いて辛い。
だが、そんなことよりも、自分も、なにより政宗を死なせないためにも、政宗に迫ってくる下っ端は自分が何とかしなくてはと、それだけを考えていた。