陽のあたる場所で 〜戦国遊戯３〜

「小十郎様がお戻りになられたよ！」

バタバタと廊下を走る足音と共に、ふと、そんな言葉が聞こえてきた。

「さぁ、主のお戻りですよ。皆、仕事に戻って」

喜多の言葉に、一斉にみな頷き、それぞれの持ち場へと戻っていった。喜多も早足で台所を出て行った。


えと…私はどうしたらいいんだろう。


さっきまではなんとなくみんなで台所に居たが、小十郎が戻ってきたとなるとそうもいかない。

と、悩んでいたそのときだった。


『ここでじっとしているんだ』


小十郎の言いつけをしっかりと破って、幸姫は屋敷の中に居たとはいえ、じっとせずにバタバタと動き回っていた。

「お…怒られる！」

そう言うと、幸姫は慌てて台所を後にして、元居た部屋へと急いだ。