陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜

「あ…れ……?」

振り返って、もう一度辺りをきょろきょろと見渡した。


ちょっと待って。
あそこを右に曲がってきたから…


頭の中で、自分が歩いてきた道を必死でたどりながら、進む。


で、ここを曲がったら…ない!?


どこかで曲がり間違えたのか。
それともどこかが抜けていたのだろうか。


辺りを確認しながら歩いていたのが、気づけば小走りになっていた。
だが、どれだけ探し回っても、自分の泊まっている宿屋が見つけられない。

肩で息をしながら、幸姫はもう一度辺りをきょろきょろとした。


ダメだ。
思い出せない。


お店の名前も、外観も。
何もかもが曖昧になっていく。


「あー…もう。やばい」


幸姫は頭をガシガシとかき回した。