陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜

宿屋の出入り口のところに立てかけられていたつっかえ棒をはずし、音を立てないようにドアを開け、外に出て行った。

夜も更け、うっすらとした月明かりが、家と家の間を少しだけ照らしている。街灯がどれだけすごいのかを実感しながら、目が暗闇に慣れてきたところで、幸姫は一歩を踏み出した。

同じような家がどこまでも続いている街中をきょろきょろしながら歩く。時間が遅いからなのかはわからないが、外を歩いている人は誰もおらず、人に出会うことはなかった。

「…ほんとに人が住んでるのかなぁ」

ポツリとつぶやく。
が、その声すらも、暗闇の中に吸い込まれたかのようで、あたりの静けさだけが痛いほど伝わってきた。

暫く辺りを歩いていたが、この時間では、もうこれ以上の収穫は見込めないと思い、幸姫は歩みを止めた。