成実の話しによると、昔はもっと賑やかで華やかな街だったらしい。夜になっても人の笑い声や喧嘩する声がそこここで聞こえるほどだという。
「なんか想像できない」
素直な感想を口にする。
「少なくとも、開いている宿屋を探すような苦労はなかったがな」
部屋についている小さな窓を開けた。
「…何軒目だったっけ、ここ」
両手以上の宿屋をまわり、途中から数えるのをやめたくらいだ。
窓枠に腰かけて、外を眺める。灯りはほとんどなく、まるで暗闇がどこまでも続いているようにしかみえない。
「…やっぱ、これって」
幸姫は言いかけて口を閉ざした。
成実はなにも言わなかったがただ小さく、頷いた。
「なんか想像できない」
素直な感想を口にする。
「少なくとも、開いている宿屋を探すような苦労はなかったがな」
部屋についている小さな窓を開けた。
「…何軒目だったっけ、ここ」
両手以上の宿屋をまわり、途中から数えるのをやめたくらいだ。
窓枠に腰かけて、外を眺める。灯りはほとんどなく、まるで暗闇がどこまでも続いているようにしかみえない。
「…やっぱ、これって」
幸姫は言いかけて口を閉ざした。
成実はなにも言わなかったがただ小さく、頷いた。


