「まずは宿を探すとしよう」
成実に言われて、幸姫は頷いた。
馬を隠した場所から、少し歩いたあたりから、ちらほらと長屋が立ち並び始めていた。その長屋をさらに過ぎていくと、今度は2階建ての建物が混ざり始め、ところどころで灯りが家の中から漏れていた。
「…ここって」
なんとなく、そこが城下町と呼ばれる場所なんだろうと、幸姫は思った。
だが。
「静か…ですね」
幸姫の言葉に、成実は何も答えなかった。
活気がまったくなかった。
人通りはもちろんのこと、灯りが漏れてはいるものの、店の暖簾が出ているところは見当たらず、出入り口らしき場所は、どこも固く閉ざされていた。
これって、こたのご主人様が殺されたせいだったりするのかな…
みんなに慕われていた、と小太郎が言っていたことを思い出す。
「あそこに宿があるようだな。いくぞ」
成実に言われて、幸姫ははっとわれに返る。
「あ、はい」
先に進みだした成実の後を、幸姫は慌てて追った。
成実に言われて、幸姫は頷いた。
馬を隠した場所から、少し歩いたあたりから、ちらほらと長屋が立ち並び始めていた。その長屋をさらに過ぎていくと、今度は2階建ての建物が混ざり始め、ところどころで灯りが家の中から漏れていた。
「…ここって」
なんとなく、そこが城下町と呼ばれる場所なんだろうと、幸姫は思った。
だが。
「静か…ですね」
幸姫の言葉に、成実は何も答えなかった。
活気がまったくなかった。
人通りはもちろんのこと、灯りが漏れてはいるものの、店の暖簾が出ているところは見当たらず、出入り口らしき場所は、どこも固く閉ざされていた。
これって、こたのご主人様が殺されたせいだったりするのかな…
みんなに慕われていた、と小太郎が言っていたことを思い出す。
「あそこに宿があるようだな。いくぞ」
成実に言われて、幸姫ははっとわれに返る。
「あ、はい」
先に進みだした成実の後を、幸姫は慌てて追った。


