陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜

「まずは宿を探すとしよう」

成実に言われて、幸姫は頷いた。

馬を隠した場所から、少し歩いたあたりから、ちらほらと長屋が立ち並び始めていた。その長屋をさらに過ぎていくと、今度は2階建ての建物が混ざり始め、ところどころで灯りが家の中から漏れていた。

「…ここって」

なんとなく、そこが城下町と呼ばれる場所なんだろうと、幸姫は思った。
だが。

「静か…ですね」

幸姫の言葉に、成実は何も答えなかった。

活気がまったくなかった。
人通りはもちろんのこと、灯りが漏れてはいるものの、店の暖簾が出ているところは見当たらず、出入り口らしき場所は、どこも固く閉ざされていた。


これって、こたのご主人様が殺されたせいだったりするのかな…


みんなに慕われていた、と小太郎が言っていたことを思い出す。


「あそこに宿があるようだな。いくぞ」

成実に言われて、幸姫ははっとわれに返る。

「あ、はい」

先に進みだした成実の後を、幸姫は慌てて追った。