陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜

「今はまだ早いのではないか?」

「いや、北条亡き今こそ」

「ここは上杉と一時力をあわせて」

あの後、幸姫は軍略会議の場に連れられてきたため、少し困惑した表情でその場の会話を聞いていた。


北条が何者かの襲撃により、急死したため、今のうちにそこをつくか、それとも、守りを強化して、様子をみるか。
そこで意見が別れているようだったのだが。

『………』

時折訪れる沈黙に、幸姫はそのたびに顔を俯けた。

原因はわかっている。
遅れてきたかと思えば、見知らぬ人間を一緒に連れてきて、しかも、大事な軍略会議に参加させているのだ。

「政宗様」

小十郎が、ため息混じりに声をかける。

「なんだ」

気にした様子は当然なく、政宗は頬杖をついたまま、視線だけを小十郎へと移した。