「今はまだ早いのではないか?」
「いや、北条亡き今こそ」
「ここは上杉と一時力をあわせて」
あの後、幸姫は軍略会議の場に連れられてきたため、少し困惑した表情でその場の会話を聞いていた。
北条が何者かの襲撃により、急死したため、今のうちにそこをつくか、それとも、守りを強化して、様子をみるか。
そこで意見が別れているようだったのだが。
『………』
時折訪れる沈黙に、幸姫はそのたびに顔を俯けた。
原因はわかっている。
遅れてきたかと思えば、見知らぬ人間を一緒に連れてきて、しかも、大事な軍略会議に参加させているのだ。
「政宗様」
小十郎が、ため息混じりに声をかける。
「なんだ」
気にした様子は当然なく、政宗は頬杖をついたまま、視線だけを小十郎へと移した。
「いや、北条亡き今こそ」
「ここは上杉と一時力をあわせて」
あの後、幸姫は軍略会議の場に連れられてきたため、少し困惑した表情でその場の会話を聞いていた。
北条が何者かの襲撃により、急死したため、今のうちにそこをつくか、それとも、守りを強化して、様子をみるか。
そこで意見が別れているようだったのだが。
『………』
時折訪れる沈黙に、幸姫はそのたびに顔を俯けた。
原因はわかっている。
遅れてきたかと思えば、見知らぬ人間を一緒に連れてきて、しかも、大事な軍略会議に参加させているのだ。
「政宗様」
小十郎が、ため息混じりに声をかける。
「なんだ」
気にした様子は当然なく、政宗は頬杖をついたまま、視線だけを小十郎へと移した。


