陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜

「お父さんはいないもん」

幸姫が言うと、政宗の眉がピクリと動いた。

「物心ついたころから…と言うか、生まれた時から、父親なんていなかった。写真もなかったし」

うんうん、と頷く幸姫に、政宗は少しだけ首をかしげる。

「しゃしん…とはなんだ?」

「えっ?…あっ!あー…えっと…」

言ってから気づいたが、この時代には、まだ写真はない。

「肖像画…みたいなもん?絵だよ、絵」

我ながら苦しい言い訳だと思いながら笑って誤魔化す。

「とにかく、お父さんなんて―…」

言いかけた時だった。
思わず振り返る。何もないのに、何故か気配を感じた気がした。

「…さすがは玲子の娘だな」

「えっ?」

政宗の言葉に驚き振り返った瞬間、突然口を手で押さえられ、しっ、と小さく囁かれた。