陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜

政宗の隣を、黙って歩く。
チラリと視線をそこからずらせば、耳をくくられたウサギが5羽。

あの後、結局、幸姫はなんの役にたつこともなく、ただ、政宗がしとめていくのをじっと見ているだけだった。

「どうした」

「へ?」

急に声をかけられて驚く幸姫。

「さっきから上の空だ」

言われて、慌てて首を横にふる。

「そんなことは」

不意に立ち止まる政宗。幸姫もつられて止まった。

「…早く慣れることだ」

政宗に言われた一言は、妙に重たく感じられた。
政宗はまた、スタスタと歩きだす。


慣れる。


「って言われても…」

戸惑いを隠せない表情を浮かべながら、幸姫は小さくため息をついた。