弧を描いて、幸姫の手から離れていった矢は、その勢いのまま、トスっと地面に突き刺さった。
飛び出してきたウサギは、その矢に驚いて、茂みの中へとまた逃げていった。
「あっ…」
失敗した。
そう思ったが、心のどこかで、ホッとした自分もいることに気づく。
…ダメだ。まだ私には出来ないよ。
覚悟が出来ていなかった。生き物の命を奪うという、覚悟が。
ヒュィッ
不意に隣から高い口笛が聞こえた。
何かと思い顔を向けると、すでに構えられていた矢が放たれた。
「えっ?」
後を追うようにして、矢の飛んでいった方へと視線を移す。
「あっ…」
鷹に追われ、ウサギがまた、茂みから飛び出してきた。
飛び出してきたウサギは、その矢に驚いて、茂みの中へとまた逃げていった。
「あっ…」
失敗した。
そう思ったが、心のどこかで、ホッとした自分もいることに気づく。
…ダメだ。まだ私には出来ないよ。
覚悟が出来ていなかった。生き物の命を奪うという、覚悟が。
ヒュィッ
不意に隣から高い口笛が聞こえた。
何かと思い顔を向けると、すでに構えられていた矢が放たれた。
「えっ?」
後を追うようにして、矢の飛んでいった方へと視線を移す。
「あっ…」
鷹に追われ、ウサギがまた、茂みから飛び出してきた。


