陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜

額に汗が滲み、構えている手は小さく震えていた。

深呼吸をするも、視線の端にうつるウサギの姿に、落ち着くことなんてできなかった。


―――怖い。



ただ、その感情だけが幸姫を支配していた。

チカチカする目を何度もギュッと瞑る。


「構え」


不意に、政宗がぼそっと呟く。
その声に反応するように、幸姫はヒュッと息を吐くと、真剣な眼差しで茂みを見つめた。

バサバサバサッ…

鷹が茂みに向かって飛び立つ。少しして、ウサギが飛び出してくる。



殺せるの?



突然頭の中で響いた言葉に、幸姫の手の力が緩んだ。