「あの、すいません」
思い切って喜多に声を掛ける。
「母が心配してると思うんで、私、戻らないと」
そういうと、喜多が目を見開いた。
「それは大変。お母様はどちらにいらっしゃるの?」
聞かれて、幸姫は少し困ったような表情を浮かべた。
「それが…滝壺に落ちてから母とはぐれてしまって。たぶん、あの川沿いから滝壺までの間にいると思うんですけど…」
自信無げに答えると、喜多は頷き、幸姫の手を引いて脱衣所を出た。
「え?ええ??」
今度は何だ?と思っていると、玄関に到着した。
「小十郎。小十郎!」
喜多が大きな声で小十郎を呼ぶ。と、バタバタっと廊下を走る音が聞こえてきた。
「何です、姉上」
「小十郎。姉滝までこの子を連れて行ってあげなさい」
『え?』
喜多の言葉に、思わず小十郎と幸姫の声がはもった。
「これ、馬の用意を!」
パンパン!と喜多が手を叩くと、すぐに馬が門の前まで連れてこられた。
「姉滝の辺りでお母様とはぐれてしまっているそうなの。だから、急いで姉滝まで連れて行っておあげなさい」
「それは…」
困惑した表情を浮かべる小十郎に、喜多が一括を入れる。
「困っている人を助けなくてどうします。それでも片倉家の当主ですか!?」
喜多の言葉に、小十郎は何も言えなくなる。
ちらりと幸姫の方を見て、小さく溜息をついた。
「分かりました」
そういうと、馬の方へと歩き出す。
「ほら、あなたも。お母様に無事にお会いすることが出来たら、ここに一緒に連れていらっしゃい。あなたの着物も、まだ乾かしているところだから」
「すみません…」
幸姫は申し訳なさそうに頭を下げた。
思い切って喜多に声を掛ける。
「母が心配してると思うんで、私、戻らないと」
そういうと、喜多が目を見開いた。
「それは大変。お母様はどちらにいらっしゃるの?」
聞かれて、幸姫は少し困ったような表情を浮かべた。
「それが…滝壺に落ちてから母とはぐれてしまって。たぶん、あの川沿いから滝壺までの間にいると思うんですけど…」
自信無げに答えると、喜多は頷き、幸姫の手を引いて脱衣所を出た。
「え?ええ??」
今度は何だ?と思っていると、玄関に到着した。
「小十郎。小十郎!」
喜多が大きな声で小十郎を呼ぶ。と、バタバタっと廊下を走る音が聞こえてきた。
「何です、姉上」
「小十郎。姉滝までこの子を連れて行ってあげなさい」
『え?』
喜多の言葉に、思わず小十郎と幸姫の声がはもった。
「これ、馬の用意を!」
パンパン!と喜多が手を叩くと、すぐに馬が門の前まで連れてこられた。
「姉滝の辺りでお母様とはぐれてしまっているそうなの。だから、急いで姉滝まで連れて行っておあげなさい」
「それは…」
困惑した表情を浮かべる小十郎に、喜多が一括を入れる。
「困っている人を助けなくてどうします。それでも片倉家の当主ですか!?」
喜多の言葉に、小十郎は何も言えなくなる。
ちらりと幸姫の方を見て、小さく溜息をついた。
「分かりました」
そういうと、馬の方へと歩き出す。
「ほら、あなたも。お母様に無事にお会いすることが出来たら、ここに一緒に連れていらっしゃい。あなたの着物も、まだ乾かしているところだから」
「すみません…」
幸姫は申し訳なさそうに頭を下げた。


