陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜

「…うん?」

一瞬、女性の眉が寄る。

「お主、名はなんと言う」

「あ、あの…」

女性とは思えないような迫力に圧倒され、うまく話せない。

「ダンゾー、少し静かにせい」

ひゅっと扇子を小太郎たちのほうへと向ける。
と、次の瞬間、ダンゾーと呼ばれた人物が、小太郎を押さえつける。

「こた!」

思わず駆け寄ろうとする幸姫。
が、女性がぐいっと腕をつかみ、それを阻止する。

「お主。玲子ではないな。名はなんと言う?」

にやりとまた笑う女性に、幸姫は背筋がぞっとした。

「…幸姫」

短く答えると、女性はふむ、とぺたぺたと幸姫を触ってくる。

「確かに、玲子とは少し違うようだ。が、なぜそんなに顔が似ておる。玲子の親族のものか?」


玲子。

皆が言う『玲子』って、まさか…


でも、そんなはずはない。
だってここは戦国時代だもん。


そんなはずは―――……