「…あの、ごめんなさい。ありがとうございます」
幸姫が小さな声で言うと、いや、と短く幸村が答えた。
その表情はひどく切なそうな、辛そうなもので、幸姫はなぜか、ぎゅっと胸が締め付けられるような感覚に陥る。
「こた。もう帰ろう」
小太郎の袖をひっぱった。
「…わかった。だが、動けるか?」
「うん。大丈夫」
正直、わけのわからない頭痛で、動くのが辛かったが、それ以上に、この場にいることがなぜかひどく辛かった。
「休ませてくれて、ありがとうございます。でも、これ以上ご迷惑かけるわけにはいかないから、もう帰ります」
ゆっくり歩いて帰れば、小十郎の家に着くのは明日だろう。
運がよければ、政宗に会うこともない。
そう思い、小太郎に手をかりながら立ち上がった。
幸姫が小さな声で言うと、いや、と短く幸村が答えた。
その表情はひどく切なそうな、辛そうなもので、幸姫はなぜか、ぎゅっと胸が締め付けられるような感覚に陥る。
「こた。もう帰ろう」
小太郎の袖をひっぱった。
「…わかった。だが、動けるか?」
「うん。大丈夫」
正直、わけのわからない頭痛で、動くのが辛かったが、それ以上に、この場にいることがなぜかひどく辛かった。
「休ませてくれて、ありがとうございます。でも、これ以上ご迷惑かけるわけにはいかないから、もう帰ります」
ゆっくり歩いて帰れば、小十郎の家に着くのは明日だろう。
運がよければ、政宗に会うこともない。
そう思い、小太郎に手をかりながら立ち上がった。


