陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜

「…っつ!」

思わず地面に座り込む。

「幸姫!?」

慌てて駆け寄る幸村。
が、小太郎がそれを遮る。

「なぜここに貴様がいる」

小太郎が威嚇するように低く、ドスのきいた声で幸村に問いかける。

「武田の領土から遠く離れたこの地に、なぜ貴様がいる」

小太郎は幸姫の手をしっかりと握り締めながら、かばうように幸村と幸姫の間に立つ。
手にどこから取り出したのか、くないを持っている。
佐助がいつの間にか、幸村と小太郎の間に、同じくくないを持って立っていた。

「佐助」

幸村は佐助の肩をぽんぽんと叩くと、そのまますっと前に出てきた。

「幸姫…憶えていないか?」

幸村はしゃがみ、幸姫と視線の高さをあわせると、優しく微笑んだ。


『ゆきむら!』


ダメ、思い出してはダメ。



息が浅く、速くなる。
まるで警告するかの様に、頭痛がひどくなっていった。