陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜

「どうかしたか?」

小太郎の声に、幸姫はハッと我に返った。

「ううん、なんでもない」

慌てて顔を横に振りながら、笑った。

「ところで、今からどこに行くの?」

小太郎に聞くと、笑って首を横に振った。

「何も考えてない」

「‥え?」

「さすがに奥州筆頭が来ると、分かっているのにいる訳にはいかないだろう」

小太郎に言われて、確かに、と頷いた。

「幸姫は会いたかったのか?」

聞かれて少し考えてみた。

「‥‥いや、私もいいや」

政宗に対して、ドキドキしたし、ときめいた気もする。
が。

「なんかよくわかんないし、別に親しい訳でもないし」

突然の彼の行動はよく分からないところもあるし、なにより、小十郎が困っていることは何となく感じ取れたから。

「とりあえず、南の方がまだ暖かそうだし、そっちに行こう」

「分かった」

幸姫と小太郎は、ブラブラと日が沈む中、ゆっくりと足を進めた。