「ここのところ、愛姫様のところに行かずに、家にくるようになってしまっている。それでは困るのだ。お世継ぎのこともある。今は他にうつつを抜かしている場合ではないというのに」
小十郎が言うと、小太郎はくくっと小さく笑った。
「なるほどね。まぁ、見る目だけはあるようだが」
からかうように言うと、小十郎は眉を顰めた。
「何を言っている。どこの馬の骨とも知れぬ輩に目移りされては困る。やっと玲子のことも吹っ切れたようだというのに…」
言って、はっとする。
「…え?今、玲子って…」
幸姫が聞き返す。
「いや、何でもない」
小十郎はそう言うと、慌てて向きを変えて、パタパタとその場を立ち去っていった。
「おい!とりあえず、今日はどこかで適当に休んでくるぞ」
小太郎の声が、廊下に響き渡った。
小十郎が言うと、小太郎はくくっと小さく笑った。
「なるほどね。まぁ、見る目だけはあるようだが」
からかうように言うと、小十郎は眉を顰めた。
「何を言っている。どこの馬の骨とも知れぬ輩に目移りされては困る。やっと玲子のことも吹っ切れたようだというのに…」
言って、はっとする。
「…え?今、玲子って…」
幸姫が聞き返す。
「いや、何でもない」
小十郎はそう言うと、慌てて向きを変えて、パタパタとその場を立ち去っていった。
「おい!とりあえず、今日はどこかで適当に休んでくるぞ」
小太郎の声が、廊下に響き渡った。


