陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜

「どうした?」

小太郎が顔を覗き込むようにしてみてくる。

「え?あ…ううん!なんでもない」

幸姫がそう言うと、小太郎は幸姫が拾い上げた茄子をとり、台車に積んだ。

「行くぞ」

「うん」

小太郎は何も言わなかった。
幸姫が何を言いたかったのか、もしかしたらわかっていたかもしれないが。

だけど、幸姫も、聞くことができなかった。



民を幸せにするため。



小十郎の言葉が頭の中をよぎる。

誰かを守るため。

私を、守るため。
それに、身を守るため。


小太郎は守ると言ってくれた。
だけど、そのせいで人が死んだ。