「場所はすぐに分かった?」
淡い桃色をした着物から、落ち着いたライムグリーンの着物に袖を通しながら、喜多が聞く。
「はい、場所は分かりやすかったんで。ただ…」
「ただ…?」
喜多に聞き返されて、幸姫は小さくため息をつくと、半分諦めたような顔をしながら、持っていた包みを喜多に差し出した。
「………」
差し出された包みを見て、喜多は絶句する。
藍色の風呂敷に、べったりと血のシミが付いている。土と埃で全体が汚れていて、所々にほつれたような後も見受けられた。
「これはいったい、どういうことです」
喜多に言われて、幸姫はガバッと頭を下げた。
「ごめんなさい!」
何度も何度も頭を下げる。
「その、途中で予想外の出来事があったというか、なんというか」
何をどう説明したらいいのかが分からない。が、何を言っても言い訳にしか聞こえないと思うと、余計になんと説明したらいいのか。
幸姫は混乱していた。
淡い桃色をした着物から、落ち着いたライムグリーンの着物に袖を通しながら、喜多が聞く。
「はい、場所は分かりやすかったんで。ただ…」
「ただ…?」
喜多に聞き返されて、幸姫は小さくため息をつくと、半分諦めたような顔をしながら、持っていた包みを喜多に差し出した。
「………」
差し出された包みを見て、喜多は絶句する。
藍色の風呂敷に、べったりと血のシミが付いている。土と埃で全体が汚れていて、所々にほつれたような後も見受けられた。
「これはいったい、どういうことです」
喜多に言われて、幸姫はガバッと頭を下げた。
「ごめんなさい!」
何度も何度も頭を下げる。
「その、途中で予想外の出来事があったというか、なんというか」
何をどう説明したらいいのかが分からない。が、何を言っても言い訳にしか聞こえないと思うと、余計になんと説明したらいいのか。
幸姫は混乱していた。


