なんだかなぁ…
水を張った桶の中に、血のついた手ぬぐいを入れて、ごしごしと洗う。
少しでも、血の赤色が薄れるように必死で。
水に血がにじみ出てくるのをみて、幸姫の手が一瞬止まった。
小太郎を連れて戻ったのは、単純に、目の前で人が死ぬのが嫌だったから。
ただ、それだけ。
おはるとおあきには感謝している。自分では、あんなに的確に処置は出来なかった。
軽く手当てした、とは言っていたが、ちゃんと血を止めて、傷口も縫ってくれた。
医者でも何でもない人間が、あそこまでなんで出来るのか。幸姫は不思議に思ったものの、今自分が居る場所が片倉家で、時代が戦国時代なのならば。もしかしたら、できて不思議はないのかもしれない、とも思った。
だが、終始困惑した表情を浮かべ、治療後にも不安そうな顔をしていた。
それを思い出して、幸姫は小さな溜息が出た。
困っている人がいたら、助けてあげたいと思うし、まして死にかけている人がいたら、なんとかしないと、と思う。
たぶんそれは、時代とかそんなもの関係なくって、誰だって思うことだけど。
単純に、ただそれだけで動く事が出来ないことがあるんだと、改めて認識させられた。
水を張った桶の中に、血のついた手ぬぐいを入れて、ごしごしと洗う。
少しでも、血の赤色が薄れるように必死で。
水に血がにじみ出てくるのをみて、幸姫の手が一瞬止まった。
小太郎を連れて戻ったのは、単純に、目の前で人が死ぬのが嫌だったから。
ただ、それだけ。
おはるとおあきには感謝している。自分では、あんなに的確に処置は出来なかった。
軽く手当てした、とは言っていたが、ちゃんと血を止めて、傷口も縫ってくれた。
医者でも何でもない人間が、あそこまでなんで出来るのか。幸姫は不思議に思ったものの、今自分が居る場所が片倉家で、時代が戦国時代なのならば。もしかしたら、できて不思議はないのかもしれない、とも思った。
だが、終始困惑した表情を浮かべ、治療後にも不安そうな顔をしていた。
それを思い出して、幸姫は小さな溜息が出た。
困っている人がいたら、助けてあげたいと思うし、まして死にかけている人がいたら、なんとかしないと、と思う。
たぶんそれは、時代とかそんなもの関係なくって、誰だって思うことだけど。
単純に、ただそれだけで動く事が出来ないことがあるんだと、改めて認識させられた。


