陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜

「幸姫」

部屋を出た所で呼ばれ、声の方を見ると、心配そうな表情をしたおあきとおはるの姿があった。

「あ…すいませんでした。なんか落ち着いたみたいです」

幸姫が頭を下げると、少しだけ困惑した表情でおはるが口を開いた。

「それよりもあんた。さっきの男は一体何者なんだい?軽くだけど手当てしちまったんだ。もしもやばい奴なら」

おあきと顔を見合わせながら、不安そうに続けた。

「ここは片倉様のお屋敷なんだ。妙な奴を連れ込んだとなったら大問題だよ」

2人の言葉に、幸姫はごめんなさい、と頭を下げた。

「…とにかく、喜多様か小十郎様がお戻りになられたら、きちんと話すんだよ」

「はい」

言われて、幸姫は小さく頷いた。

「それじゃ、私達は仕事に戻るよ」

「ありがとうございました」

深々と頭を下げると、苦笑いを浮かべながら、2人は部屋のそばから立ち去っていった。