カランカラン… ゴミ箱から引きずりだしていた空き缶が、冷えた風に吹かれて、アスファルトの上を転がっていった。 それに煽られるように、俺が暴いたゴミ達がぶざまに外を舞っていく。 その中で、ある可能性が俺の中に沸き起こった。 ――もし、他の誰かがあの馬券を拾って換金していたら―― 渇いた唇を再び噛み締める。 その前に…必ず… 「絶対…見つけてやる…」 あれは 俺の 3 億 円 だ