たとえ彼女じゃないとしても、 その人と彼は、名前で呼び合うほど仲が良いってことだから…。 彼女じゃないと分かっていても、 少し、 いやかなりイヤだ。 そんなことを考えていたのに 彼は突然噴き出して、声を抑えて笑った。 「ごめ、笑って。 華奈ね。 俺とアイツはそんなんじゃない、 ていうかアイツ、学外に彼氏いるから。」 「え、ぇっ…そうなの!?」 「ん。 しかもその彼氏さんと俺、知り合いだし。 つーか、俺がやだな、あいつを彼女にするのは。」 そう言って彼はふっと口角を上げた。