夢奏-ﾕﾒｶﾅﾃﾞ-

「ただいまー」

扉を開けると親父がパンの仕込みをしていた。

俺の家はパン屋をやっている。
だから親父も母さんも家で働いてる。

「おう!また出かけてたのかバカ息子!!」
「うるせーよ、バカ親父」
「母さーん、恭平がバカって言うよー!!」
「はぁ？親父も言ってんじゃねーか!!」

ハハッと笑う親父に、俺も笑いながら答えた時。

「あんた達うるさいわよっ!!」
「「す、すいません…」」

母さんの迫力に俺達はすぐさま謝った。

いつもこんな感じ。

俺ん家は多分家族の仲は良い方だと思うよ。