君にハートを盗まれた。


先輩は、フウ-と大きくため息をついた。

やっぱり…呆れられてしまったのかな?

それでも、いいよ。ここで気持ちを伝えないと、あとで絶対後悔するもん。


すると、先輩がさっきよりもあたしに近づいてきた。


その距離は、先輩の顔を見上げているあたしの顔に、先輩の息がかかるぐらい近い。


余りの近さに、顔から火が出ると思うぐらいに赤く染まる。

先輩は、ずっとあたしの瞳を何かを試すような瞳で見つめている。


先輩は、何を考えているのだろう?

そう思った瞬間だった。


突然、あたしの視界から先輩の顔が一瞬見えなくなったと思ったその時…。


えっ…?




なにが…起きているのか…分からなかった…。


頭がパニクって思考回路が止まってしまった。